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【木造住宅で地震に強い家とは?】耐震等級3(許容応力度計算)と制振ダンパーが必要な理由

2026.02.26

【木造住宅で地震に強い家とは?】耐震等級3(許容応力度計算)と制振ダンパーが必要な理由

木造住宅において、多くの場合に合理的とされる地震対策は「耐震等級3(許容応力度計算)」と「制振ダンパー」の組み合わせです。強固な構造で倒壊を防ぎ、さらに揺れを吸収する制振装置を併用する。この二重の備えこそが、家族を守り、住まいの健全性を永く保つための一つの解といえます。


「木造住宅で本当に地震に強い家とは何か?」
「耐震等級3と書いてあれば、それだけで安心なのか?」

家づくりを検討される中で、このような疑問を抱く方は少なくありません。地震大国である日本において、住まいの安全性は最も関心の高いテーマですが、技術的な用語が多く、判断が難しいのも事実です。

本記事では、耐震・制振・免震の違いから、玉善がこだわる「許容応力度計算」の重要性まで、専門的な視点から客観的に解説します。


木造住宅における3つの地震対策:耐震・制振・免震の違い

地震対策には大きく分けて「耐震」「制振」「免震」の3種類があります。それぞれの特徴と、一戸建ての木造住宅における現実性を整理しました。

耐震、制振、免震の比較表

木造住宅において、一度目の本震で構造が傷つくのを防ぎ、その後の余震でも性能を維持し続けるためには、「耐震」に「制振」をプラスする考え方が非常に合理的です。


なぜ「耐震等級3」の中でも「許容応力度計算」が必要なのか?

「耐震等級3」は、消防署や警察署などの防災拠点と同等の耐震性を示す最高ランクです。しかし、同じ等級3でも、その根拠となる計算方法には大きな違いがあります。

「壁量計算」と「許容応力度計算」の違い

  • 壁量計算: 主に壁の量や配置を簡易的に確認する手法。

  • 許容応力度計算: 柱や梁の一本一本に発生する「部材応力度」や、地震時の建物の傾き具合を示す「層間変形角」、接合部にかかる「引張力」まで緻密に数値化し、科学的に安全性を確認する手法。

木造住宅の設計において、法令で認められた簡易的な「壁量計算(仕様規定)」を用いることも可能です。しかし、2025年の建築基準法改正により構造審査は厳格化されましたが、玉善では改正以前より全棟「許容応力度計算」を実施してきました。

単に法令基準をクリアするだけでなく、こうした詳細な「数値の裏付け」こそが、住まいの強さを作ると信じています。


「耐震」だけでは不十分?制振ダンパーが果たす重要な役割

耐震性能を高めることは不可欠ですが、耐震だけで巨大地震に立ち向かうと、建物には大きな負荷がかかります。

本震と余震への物理的な備え

一度目の大きな揺れ(本震)で倒壊しなかった家でも、繰り返しの余震によって、柱や梁の接合部に「緩み」や「微細な損傷」が蓄積し、耐震性能が徐々に低下する可能性があります。

そこで重要になるのが、「制振ダンパー」です。 玉善では、国土交通大臣認定を受けた「Kダンパー」を採用しています。

  • エネルギーの分散: 揺れを熱エネルギーに変換して放出することで、建物への負担を軽減します。

  • 損傷の蓄積を抑える: 繰り返しの揺れに対しても摩擦抵抗によるブレーキが働き、構造の劣化を最小限に留めます。


基礎から耐久性まで。構造の健全性を支える設計思想

地震に強い家とは、単に硬いだけでなく、永くその性能を維持できる家のことです。玉善では、点ではなく「線」で構造の耐久性を考えています。

  • 強固な基礎: 長期的な耐久性が期待できる30N/mm²のコンクリート強度を採用。

  • 外皮計画: 防湿・断熱・通気計画を総合的に整えることで、木材の腐食リスクを低減し、耐震性能の基盤を守ります。

地盤から基礎、耐震・制振にいたるまで。これらが有機的に機能することで、数十年後も変わらない安心が、そっと暮らしを支え続けます。


よくある質問(FAQ)

Q. 耐震等級3であれば、制振ダンパーは不要ですか?

A. 耐震等級3は「倒壊を防ぐ」ための基準です。しかし、繰り返しの余震による「構造の傷み」を抑えるには、制振ダンパーを併用して揺れを吸収することが、永い安心に繋がります。

Q. 制振ダンパーはメンテナンスが必要ですか?

A. 玉善が採用している「Kダンパー」などの摩擦式ダンパーは、基本的にメンテナンスフリーで長期間その性能を維持します。

Q. 許容応力度計算はすべての会社が行っていますか?

A. 日本の木造住宅においては、法令に基づいた「壁量計算」も標準的な手法として広く普及しています。計算手法の選択は住宅会社によって異なりますが、より緻密な数値による安全性の検証を重視される場合は、全棟で「許容応力度計算」を実施しているかどうかを確認することが、納得できる住まい選びのための一つの指標となります。


日常を慈しむための、見えない備え

朝、キッチンで湯気を眺める。夜、家族の寝息を聞きながら眠りにつく。 そんな何気ない日常は、住まいへの揺るぎない信頼があってこそ成り立つものです。

数値や技術は、普段は壁の中に隠れていて、その存在を主張することはありません。しかし、万が一のときにその「根拠」が家を支え、住む人の心を守ります。数値に裏打ちされた合理性と、暮らしに寄り添う感性。その両立こそが、私たちの家づくりです。

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