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最初のプランご提案から10回近くの打ち合わせを重ねて、ご夫婦の希望される空間をすべて取り入れた間取りを実現したSさま邸。

ご主人の何よりのご希望は、趣味の空間として使える書斎スペースでした。お家の中の“隠れ家”的な自分だけの場所、憧れの空間ですよね。そこでご提案したのが、ロフトスペース。階段上のスペースに9畳と広く空間を取ったロフトを設けました。

「注文住宅でなければこれだけ広いロフトスペースを設計することはありませんね」と設計にあたった一級建築士の安本も振り返ります。

ただ、隠れ家といっても完全に閉じられた場所にはならないようにしておきたいというご希望もあり、格子を隔てて向こう側に気配が感じられるような空間として設計しました。一人で籠もれる場所でありながらリビングのご家族との繋がりも感じられる。この“抜け感”がSさま邸のロフトスペースの最大の特徴となっています。

少し顔をのぞかせればリビング全体が見渡せる。まさにこのお家の中の“特等席”と言えますね。

ロフトスペースを設けることで高天井の空間となったリビング。高低差をつけた勾配天井を活かした照明の配置を計画しました。

リビングの明かりの中心を担うのは、天井を照らす間接照明となるコーブ照明。落ち着いた空間を実現しています。

リビングの光の採り入れ方で安本が設計のポイントに挙げたのは、コーナーに90度に設けた窓の配置。大通りに面した敷地ですが、2階リビングならではの視界の抜け感を実現しています。

お客さまのご要望に応える設計士のアイデアがふんだんに盛り込まれたSさま邸の完成レポート。
最終回の次回は、2階リビングへと繋がる“絵になる玄関”をご紹介します。